㈱恋人屋 ONCE!
朝の日射しが部屋に不法侵入する。まだ寝ていたかったのに、どうやら朝が来てしまったらしい。
「ん…。」
「お、ようやくお目覚めか、紗姫。」
理さんの声が、少し離れた所から聞こえる。そうか、私、理さんと寝てたんだっけ…。
「あ、理さん…おはようございます…。」
「おう。」
キッチンの方からいい匂いが漂ってくる。
「何してるんですか…?」
「ちょっと、キッチンお借りしてるぜ。」
眠い体を起こし、寝ぼけ眼でキッチンへと足を運ぶ。
「だから、一体何を…?」
「俺とお前の朝飯、作ってたところだ。」
「…へ?」
理さんの手元を見る。そこには、美味しそうに盛りつけられたフレンチトーストがあった。
「ほら、食おうぜ、紗姫。」
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