姫の笑顔

「世界学生コンペ…それで…」と言ってミリヤは何か考えていた。

「疑問、あるのか?」と聞くと、

「疑問では無いのですが、コンペの時わたしはとても緊張して、とても人前に出れる様な状態では無かったのです。そんな時とても懐かしい声で〝ミーちゃん、大丈夫〟って聞こえて、それからは緊張していたのが嘘だったかのように発表が出来たのです」と言った

「〝ミーちゃん〟…それはミリヤの愛称だよ。母上に聞いてご覧?もっと詳しく聞けると思う。ミリヤが赤ちゃんだった頃の事や、色んな事が。」と言うと、ノックが聞こえ、ミリヤが「はい。」と言うとメイドとエル、ユウキが来た。

「ミリヤ様、ホットココアをお持ち致しました。」とメイドが言うとミリヤは

「ありがとうございます」と言ってココアを一口飲んだ。…落ち着いたのを確認したらエルが
「団長」と言い、ミリヤに聞こえないように、

「先程の件、退団処分にした後、警察に身柄を引き渡しました。」と小声で言った。俺は

「分かった。ご苦労様。」と言いミリヤに

「もう少しでディナーになるが、食べれそうか?」と言うと、

「はい。…ですが、赤くなった目ではお母さまたちにご心配をおかけしてしまいます。」と言った。
< 20 / 109 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop