姫の笑顔


「ミリヤ、ユウキが好き…何だな?」お兄さまの言葉に顔が熱くなって俯くけど、こくんと頷いた。

「お兄さま、わたし、一人の人の事をこんなに大切だと思うのは始めてなんです。どうか、」〝反対しないで下さい。〟

そう言おうとしたけど

「いや、俺は反対はしない。…ただ、ミリヤ。これだけは約束してくれ。騎士は危険と隣り合わせだ。何時、命の危機に瀕するか分からない。…それでも良いのか?」そう言った。

「わたしはユウキを信じます。ユウキはわたしを置いていく事を絶対にしないと。」まっすぐお兄さまを見て言った。

お兄さまとわたし互いをじっと見る。

……沈黙が降りる。

「……分かった。ミリヤに負けた。…その気持ち、忘れるな。」そう言ってから

「さて、朝食の時間だ。」そう言うとお兄さまは中庭から出ていった。

「じゃあ、ユウキ。後でね。」と言ってわたしは食堂に向かった。
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