あなたには聞こえますか…………
義信は、大家から話を聞いていた。



「今日は星田花梨さんに用事があり来た

のですが、さっきの話はいったいどうい

うことなのでしょうか?」



「花梨さん、ここでお亡くなりになって

いてね。いろいろと大きな悩みがあった

んでしょう……御家族もおられないと聞い

たことが以前ありましたしね。」




「それは、本当に間違いのないことでし

ょうか?」



「ええ。搬送された病院で聞いてみても

よろしいかと思いますよ……」




大家から義信はその病院を聞き、雪を目

で確認はしたものの、話しかけずに足早

に去っていった。




部屋には雪がただ一人で立ち尽くす姿が

あった。



< 347 / 397 >

この作品をシェア

pagetop