あなたには聞こえますか…………
二人の時間は、あと少ししかなかった。



「花梨……また会えるよな……」



「あと少しでどうなるかうちにも、

わかんないよ……

無になっちゃうのかな……

今までの想い出も、この瞬間が思い出す

最後になっちゃうのかな……」




「花梨……」



「雪さん……今を大切にしてくれて、

ありがとう。うち……本当にとんでもない

ことしちゃったよ……でも最後に気付かせ

てくれて、最後に想い出を綺麗なまま残

してくれて本当に本当にありがとう……

雪さんに会えて、本当に良かった。

本当にありがとう。


そして、こんなうちを愛してくれて、

本当にありがとうございました」





「花梨、愛してるよ。

誰よりも。誰よりも。

この先も変わらず、愛してるよ。

約束するよ。花梨。

本当にありがとう。

会えて本当に嬉しかった。


最後に……

キスしよう。永遠の想い出に」






二人は目を閉じてお互いの空気を、

お互いの想いを感じ、



最後の空気感が溢れるキスをした。




二人は優しく見つめ合い、


そして、花梨は






消えて行った。








「ありがとう、花梨。


今までありがとう。


そして、これからも愛してるよ」





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