狂愛ノ書~紅き鬼と巫女の姫~
第一ノ書





『………小雛………小雛……』





誰?
私の名前を呼ぶのは……





私を呼ぶのは優しく微笑む男性。





金色の長い髪を靡かせ、私に手を伸ばす。





『……お前に、ずっと会いたかった…』





私、に?





どうして私の名前を知っているの……?





あなたは一体………





手を伸ばしてその手を掴もうとしても、離れていってしまう彼。





『………もう少し……もう少しでお前に会える』





待って。
あなたのことを教え………




< 1 / 201 >

この作品をシェア

pagetop