Amarosso~深い愛~の作り方♪

今日は3学期最終日ということで、午前中でおしまいだった。

いつものコーヒーショップで昼食をとりながら、成績表を見ることになっていた。

隣を歩く麗華の顔を見る分には、悪くなかったように思える。

だいぶ出来るようになってきていたし。

その時、怜士は校舎の出口から見える高等部門の先に、黒い長い車が停まっているのに気が付いた。

日本ではめったに見ない車体の長さ。

まどろんでいた夢から覚醒した。

なぜ。

なぜ、あの男が直々に出てくるのだ。

この頃の落ち着いた殺し合いに、やはり絡んでいるのか。

それとも、今度は自分の番か。

怜士の頭の中では色々な可能性が回る。

隠したって、あの男は既に調べ上げているのだろうから、無駄とわかっていた。

でも直に麗華の姿を晒したくない。

あの男がやってきた理由がわからないのだから、なおさらだ。

素早く身を翻すと、校舎から出そうだった麗華を押し戻した。
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