とある普通でない人達のおはなしっ!
それは割れる音


私、葉山日南子、17歳。

寮制の女子高に通う至って普通な女の子だ。




――――なんて言ってみたいと、何度考えた事だろうか。




バサバサ、と紙が頭上から舞い散る。




「葉山さん、どうせ暇でしょ?これさぁ頼まれてくんない?」


棒読みとでもいうんだろうか。
いや、それよりは言葉の中にトゲがまじる言い方だろう。



クラスの中が少し静かになり、些か注目をあびているのが気配でわかる。



読んでいた本の上にかぶさった授業で使うものらしきプリントの紙を、邪魔にならないよう机の上に置いた。


「ちょっと?聞いてんのかよ」


ガン!と机を蹴られ、中に入っていた教科書が飛び出した。




「……聞いてます。やっときます。」



だからもう私のことなんてほっといて。
最後に付け加えたい言葉を喉の奥にしまう。

きっとこんな事言ったらお前何様?とか言われて余計面倒な事になるかもしれない。



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