空の窓から
空の眺め
空は青く、雲は白い。

今日の風は穏やかで、窓香が見上げる空の雲は、動く素振りすら見せない。

日差しは弱く、日焼けの心配も今日はしなくていいな…でもちょっとだけ、やっぱり心配だな…

そんな事を思いながら、寝そべる窓香。

その窓香に近寄り、傍らに腰を落とす者が一人。

ちらり、とそちらの方向に一瞥をくれてやる。

いつもの顔がちらりと見えると、何とも言えない顔つきで、視線を元に戻す。

一人の時間を邪魔された気持ちと、お互いのことは、まぁまぁ知り尽くしている相手が隣にいる安堵感と。

安堵から来る、一息つきたくなる気持ちに蓋をする。

次に、少し深く息を吸い込む。これは殆ど無意識だが。

軽く息を止め、その心地良さに浸った後で、静かに、長く、息を吐く。


…呼吸が、戻ってきたなあ…。
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