JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】

ヒミツな夜の散歩



~ヒミツな夜の散歩~


宴会場に戻ると、人数は半分くらいに減っていた。
酔っ払いの上司に呆れたのか、裕美子はもういなかった。

「先に部屋に戻ってるって伝えてくださいって言ってたぞ」

上司は、そう言いながら、私の肩に手を回す。

「私も疲れちゃったんで、部屋に戻ります。失礼します」

チラっと倉坂さんを見ると、派遣の女の子に囲まれて、盛り上がっていた。

やらせてくれる女の子探す・・・・・・って嘘だよね。

嘘に決まってる。
倉坂さんは誠実な人だもん。

涙が溢れる。

倉坂さんにあんなことを言わせてしまったのは、私。

本当は倉坂さんだって、あんなこと言いたくなかったはずなんだ。


いろんなことを考えているうちに涙が溢れてきた。

泣きながら部屋に戻ると、窓際の椅子に裕美子が座っていた。

同室の先輩は、まだ宴会場で飲んでいるようで帰っていなかった。

「相沢先輩、すいません。先に帰ってしまって」

「ううん。いいよ!私ももう疲れたし。てか、セクハラ上司だらけ!!アイツら最低だね」

私は裕美子の向かいの椅子に腰掛け、遠くの夜景を見つめた。

涙が残っていたせいか、キラキラと輝いてみえる。


「倉坂さんって、素敵な人ですね」

ポッと頬を赤らめた裕美子は、酔っているだけ?

それとも・・・・・・


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