JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】


私は、化粧直しをしながら、ウエストポーチの中のリップブラシに手を伸ばした。

口紅つけんなよって言ってたけど・・・・・・
冗談だよね。

と、鏡の中の日焼けした自分の顔を見つめた。

幸せそうな顔をしている私。

リップブラシを唇に近付けた。

その時、トイレの外から咳払いが聞こえた。


大好きな人の咳払い。


早く来いよ~!って声が聞こえた気がしたのは、絶対に私の妄想だ。


私は口紅を塗り直さずに、トイレから出た。


「おっせ~な」


サンバイザーを外した倉坂さんは、髪が少し乱れていて、その姿もまた素敵だった。

にっこりと微笑んだ後、私の腕を引っ張った。



「上、行くぞ」


5段くらいの階段を上がると、ロッカーがあった。

その一番奥の薄暗い場所で。




「は・・・・・・ん」




キス

キス

キス。



日焼けした火照った体が、もっともっと熱くなる。

もう、だめだよ。




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