ブナイレンアイ

利用



その日から私はハルキ先輩と行動することが多くなった。




朝も帰りも先輩と。




その空気はとても居心地がよくていつの間にか安心する場所となっていた。




あれ以来いじめもなくなったいつも通りの帰り道、部活がOFFだった今日、私は先輩と帰り道を歩いていた。




先輩は自転車を押して、隣に並んで歩く。



さりげなく、歩幅を合わせてくれるところ、視線を合わせられるようにたまに覗き込んでくるところ、全てに優しさを感じた。



「最近の練習メニューハードじゃない?」




「あれ、中学時代私がやってたやつそのままですよ?」




私の言葉に先輩が目を丸くする。




「はー。かなわないなー」




「ちゃんとやればだい…じょうぶ………ですよ……………」



私の言葉はしりすぼみになって消えて行った。笑顔だったはずの顔が固まるのがわかる。
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