先生、甘い診察してください




「ちょっ!!あんたら何やってんの!!」



医院から出てきた櫻田先生が、ビックリした様子で大声を上げた。





「あ、純、これは誤解。それより電話ありがと」

「陽菜ちゃん、どうしても智也じゃないと嫌って言うから…」



櫻田先生は気まずそうな表情をしてる。



私もちょっと気まずい…。




「陽菜ちゃん、急に歯が痛み出したんだって?」

「…うん。痛くて…学校、休んで……」



陽菜ちゃんって、泣いた顔も…可愛い。




「すぐに治してあげるね。中に入ろう」

「…うん…」



なんと陽菜ちゃんは、智也さんの手を握った。




「陽菜ちゃん、手…」

「お願い。こうさせて?何か…不安で」

「…まぁ、少しなら…いいけど」




さっきまでは楽しかったのに。


なのに、今は……。






「私、帰りますね……」

「あっ…あやちゃん……!!」



その場にいるのが、なんか辛くなって、走って帰った。



< 217 / 497 >

この作品をシェア

pagetop