先生、甘い診察してください

「はぁ」と聞こえてくるため息。



怒ってるのか、呆れてるのか、わからなくて、下げていた頭を上げた。






「…わかってた」



日向くんの表情は、さっきと変わらず、穏やかなまま。






「フラれるって、わかってたよ。OKしてくれるわけないって…確信してた」



静かに呟かれる言葉には、切なさや悲しみが入り混じってて、それが手に取るようにわかった。




私だって、恋の切なさは知ってる。






叶うわけないって確信しながらも、告白するのって…辛いよね。



日向くんがどんな気持ちで私に告白したのか。


考えただけで胸が…ギュッと苦しくなった。





「俺さ、あやの幸せを壊すつもりはない。あやには笑っててほしい」



優し過ぎるよ、日向くん。