先生、甘い診察してください
「え……」
お兄ちゃんは手に持っていた牛乳をポトっと床に落とした。
おかげで床に牛乳が零れた。
「いっ…嫌だー!!!あや~、嫌いにならないでくれっ!!」
「……」
鼻水垂らして泣き喚きながら、縋り付いてきた。
かなり幼稚な作戦だけど、これが意外と上手くいく。
「だったら認めて」
「……」
「じゃないと……嫌いになる。お兄ちゃんに、認めてほしいもん……」
俯いたお兄ちゃんは、数分、黙り込んで考えた後。
「……智也」
何故か、智也さんの肩に手を置いた。