ふくれっつらな俺のプリンセス

両親にプロポーズ


【陽輔の告白】を聞いた頃と同時期に…

父の兄で曾祖父が創立した自動車メーカーの社長に就いている伯父から

俺を養子にしたいと申し出があった

伯父には子供がいない…

両親以上に伯父夫婦から可愛がって貰った俺

跡継ぎのいない伯父は俺を後継者にしようと考えていたらしい

父は勉強が好きで大学に残り会社に入る事を拒んだことで兄への後ろめたさがあるのも分かる

柵(しがらみ)からくる父の葛藤を理解できる年齢に達していた俺は伯父の養子になるのに異存は無かった…

伯父の養子になるのに俺から出した条件は…

『好きな女を嫁さんにする事』…その相手はもう決めていると

そして25歳になるまで、後10年間待って欲しいと伝えた…

15歳になったばかりの俺の言葉に父、伯父ともに口をあんぐりと開けて言葉を失っている

それでも俺の決意が固いと理解してくれた伯父は俺の条件を受け入れてくれた

10年間と期限を決めたのは…

その間に舞衣との関係を進展させたかったから

この家から出てしまったら舞衣に毎日会えなくなる

それに耐えられないと思ったからだ…


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