シンデレラガール
そしてあたしは、決めた。


「ヒロちゃん」


あたしはヒロちゃんの元へと戻り、真っ直ぐに言う。


「あたし、負けない」

「あ、うん」


突然そんなことを言われ、ヒロちゃんは不思議そうに頷く。


「あたし、東条恭太との仕事だろうが断らない」


せっかく、あたしの事を選んでくれた人たちのためにも。


「役者として、どんな役だろうが演じる」

「聖奈」

「だから、ヒロちゃん。これからも、よろしくお願いします」


あたしは、ヒロちゃんに頭を下げる。


「もちろん。あたしは青木聖奈にしか、ついて行く気はない。だから、こちらこそよろしく」


そう言い、ヒロちゃんはあたしに手を差し出す。

その手に、あたしは自分の手を重ねてた。

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