カットハウスやわた
シャワーを終えると、ベッドに身を投げ出した。そうすると、すぐに瞼が重くなり、まもなく眠りについた。



……どれくらい眠っただろうか……



『ピンポーン』



インターホンの音に、目を覚ました。でも、すぐには起き上がれない。しばらくすると、また鳴る。仕方なく、重い体を引きずるようにして、玄関に向かった。


「……はい」


チェーンをかけたまま、重いドアを開ける。目が合い、思わずドアを閉めようとしたが、隙間に革靴を挟まれている。


「お昼食べた?サンドイッチ買ってきたけれど?」


……正樹だ。どのツラさげてきたんだ?と思いつつ、サンドイッチと、こちらから出向く手間が省けたことに免じて、チェーンを外した。



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