カットハウスやわた
八幡さんは、すぐに飲み友達である不動産屋さんに電話をしてくれた。定休日にもかかわらず、すぐに対応してくれるという。


同じ商店街にある『熊野不動産』。定休日の札を外して、細身の男性が、中に案内してくれた。


「定休日に申し訳ない」


「まさやんのお願いなら、断れないよ。それに……こんなかわいいお客様なら、大歓迎ですよ」


男は、目配せをしてみせた。私が苦手なナルシスト風味の男だ。黙っていれば、そこそこのイケメンなのに、もったいない。


「ところで、まさやんとお客様は、どういう関係なの?」


「どういう関係って……」


なんて応えればよいかわからず、お互いに顔を見合わせた。


「それより、商店街の近くでワンルームを探しているんだけれど……」


「それなら、ちょうどよい物件がある」


男は、私に笑顔を向けた。八幡さんには申し訳ないけれど、なんとなく胡散臭い…。




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