カットハウスやわた
注文したコース料理が、テーブルを賑わせた。それと、おいしい日本酒。おいしい料理たちは、目で楽しみ、舌でも楽しませてくれた。


「おいしい！幸せー！」


ついつい、口に出さずにいられない。私の幸せそうな笑みを見ながら、八幡さんも笑顔を浮かべていた。


「喜んでもらえて、うれしいよ」


「こんなにおいしい料理を食べて、喜ばない人はいないですよ！」


私を見守る八幡さんの目は、子どもを見守るお父さんの目のように優しかった。私のこと、従業員としか思っていないようだし、きっと恋愛対象外なんだろうな、私は。


コース料理に、おいしい日本酒を少し。それだけで心もお腹も満たされた。


「ごちそうさまでした。おいしかった」


私の笑みに、八幡さんも満足げな笑みを浮かべた。


「いいえ。またこっそりこようね？」


八幡さんの口ぶりは、小さい頃、お母さんには内緒でパフェを食べさせてくれたお父さんのそれに似ていた。

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