痛くしないで!【短】
「あの……ゆっくり……入れてください……」
最後の方はきっと聞こえていないだろう。
声が震えて、本来の声というものになっていない。
本当は、わかってる。
ゆっくり入れてもひと思いに入れても
痛みは変わらないってこと。
だけど、だけど……ああ。
「ゆっくり入れたら余計痛いよ?」
おじさんは最初と何ら変わらない笑顔で
そう言った。
そして近づく固い“モノ”。
私は覚悟を決めた。
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