家出少女と風花寮
私は自分の部屋に戻り、段ボール箱を開けていく。

着替えなどは備え付けの箪笥にしまい、文房具を備え付けの机に並べていく。
教科書を入れることになるだろう小さな本棚に、数冊のケータイ小説を並べる。
持ってきたものは少なかったのですぐに終わった。

用済みの段ボール箱を崩したところで、呼び出しがかかる。

「ゆき、夕飯できたってよ」

「今行きます」

扉越しの会話。
うれしくなって、部屋を飛び出した。

「片付けは終わったのか?」

「はい、おかげさまで」

「そか」

「はい!」

私と北山君が並んで階段を降りる。
居間についた時には、全員がそろっていた。
空いた座布団に私と北山君が座ったところで。

「では、いただきます」

「いただきます」

大家さんの号令で、皆食べ始めた。
献立は白米、味噌汁、焼き魚、漬物、その他小鉢。
大家さんのイメージぴったりの、あたたかい料理でした。



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