HONEY TRAP(1)~上司は身勝手な婚約者~
「知り合い?」



私達3人の間に気まずい空気が漂う。



「知り合いと言うか…会社の上司の佐野部長です」



「へぇーそう…」



柾史は何も言わず自分の部屋のドアにカードキーを差した。



「吉良さん、行こう」



「うん」




私は黙り込んだ柾史とは会話を交わさず、吉良さんと一緒にエレベーターホールに向かった。




「あの人が柾史さん?」




「え、あ…」


私は上手に吉良さんに誤魔化せなかった。



「会社の上司でしかも隣人が彼氏とは…どうりで抱いてる時…声を堪えてるなと思ってた。元カレに他の男に抱かれてる時の声…訊かれたくなかったんだ」




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