HONEY TRAP(1)~上司は身勝手な婚約者~
私もセックスには淡泊だったし、適当に声を出して演技していればいいと思っていた。



だから、セックスでイクと言う感覚が判らなかった。



他の男と変わらない動作なんだけど。



部長は動きは私をしっかりと見て動いていた。


圧迫感と同時に背筋を駆け抜けるの甘い悦楽。

部長が動く度に嬌声を上げる。

「部、部長…ダメ…そこは…」



「優奈はここが弱いのか…」



私は部長に自分の性感帯を教えてしまった。



「ダメってば…部長…」



「柾史と呼んでくれ。優奈」


部長の腰の動きが次第に激しくなっていく。黒髪を乱し、身体に汗を掻きながらもひたすら獰猛な牡の欲望を全身に滾らせる部長の姿。



彼の濃厚な男のフェロモンに完全に骨抜きにされた。



私も部長にしがみついて一緒に達した。


脳内で何かが弾け、白い靄がかかる。全身から力抜けて、しばらく放心的に部長を見つめていた。





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