もう弟なんてやめてやる。
双子は、
何て奴と関わってんだ…


「…雫、鞄持ってきたぞ」

「あ、ありがとう」



下駄箱で待っていた
雫に鞄を渡して。

町田の“本当の目的”は
何なのか話そうか迷った。

こんなこと、
今の雫に話していいのだろうか…



「なぁ、雫…」

「ん?」

「陸が、好きか?」


俺の質問に雫は一瞬目を見開いて
コクン、と1度頷いた。


その瞬間、
俺の中で1つ決意が固まって。

雫の隣に居た芹沢も、
俺を見るなり頷いた。



もうこの2人は

誰にも離すことなんて出来ない、と。



「…雫、今日陸を家に帰すから。きちんと陸と話をした方がいい。どんな結果になっても、俺たちはお前らの味方だから」

「え?」

「あたし達は“想い合う”のがいけないことだとは思ってないよ。きちんと2人で話して結論を出せばいい」

「…幸くん、穂乃華ちゃ…、っありが…とう…」



どんな結果になっても、

双子をサポートするのが
俺たちの役目だと思うから…


─────頑張れ。
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