もう弟なんてやめてやる。
「好きだと自覚したのは、幼稚園の時だよ」

「幼稚園…?え、そんなに昔から?」

「そ…」



自覚した途端、
子どもながらに雫を

幸せにしてあげるんだって、
絶対お嫁さんにするんだって、


思ってた。


でも、

たった一つの言葉で
俺の夢は

───────打ち砕かれたんだ。



『姉弟は結婚出来ないのよ?』



雫をお嫁さんにするって
周りに言いふらしてたら

先生にそう言われて。


ショックだったのを覚えてる。



「…あたし、全然気づかなかった」

「ダメなことだって解ってたから、周りにバレないように平然を装ってたし仕方ないよ。それに、雫は鈍いもんな」

「む、鈍くないもん」



今だって、

両想いなのは夢なんじゃないかって
正直怖い…

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