もう弟なんてやめてやる。
「……そんなに想い合ってるなら、もう手遅れだろう。2人で、頑張ってみなさい」



震えた声で
涙を流す父親に、

陸が口を開いた。



「…父さん。ずっと言いたかったことがあるんだ」

「…なんだ」

「雫を、俺にください」

「陸!?」



言葉と共に頭を下げる陸に
雫が驚く。


ずっと、
これが言いたかった。


幼稚園の頃、

雫と結婚するんだって思ったあの日から
これが言いたかった。

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