第2弾しましまパンツマン
プロローグ(Stairway to Heaven 『天国への階段』)
夜の帳が下りた歓楽街。

それを少しそれた……が、数人の足音が追ってくる。


騒々しい声から、なんとか離れようと忙しく路地裏に入った。



「しくったな……」


そう呟き、俺は荒い呼吸を押し殺し、壁を背に向け膝をかがめた。



「……つっ」



脇腹を押さえている、その手の部分が滲むように赤く染まっていた。


深く……息をつく。


冷静になろうと目を閉じかけた俺は、差し込む街の光がさえぎられていることに気づいた。


通りすがりか、自分を見つめる少年に気付く。



肩に楽器のケースを担ぎ、ただ、じっとこちらを見つめていた。


俺の脳裏に、愚かな選択が横切った。


と、少年は徐に楽器ケースから楽器を取り出し、路地の入り口で俺に背を向けた。


< 1 / 91 >

この作品をシェア

pagetop