Dear・・・
「いや、別にそんなんに差別はないよ。でも、本当、うちには子どもいるし。メールだけは…」


「だから、それは俺と治さんの問題ですから」


「治さん、治さんって。そんなうちの旦那欲しかったら、リボンつけてプレゼントしましょか?」


「出来るもんならして下さいよ。事務所にでも、家にでも贈れるものならどうぞ」


「どうぞって…もうここまできたら言わせて貰いますけどねえ、あんたのメール気持ち悪いんよ。会いたいとか寂しいとか。寒気するわ」


「会いたくて何が悪いんですか?さっきから俺ばっか攻められてますけど、実際、治さんの方からメール来るんですからね」


分かってはいたものの、改めて言われるとショックは大きく、香子は少し言葉に詰まる。


「――じゃあ、それ返信しないで。この人病気なんよ。だから――」







その時、慶介の話す階段下から、勢い良く駆け上がってくる音がした。


電話への集中が一旦途切れ階段下を見る。


とそこには翔太がいた。


「慶介!何してんだよ」


翔太は慶介を怒鳴りつけ、携帯を取り上げようとする。


「やめろよ!」


どうにか堪えるが、翔太の方が力は勝っており、あっさりと携帯は取り上げられ、切られてしまった。
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