無口で冷たい俺のお姫様




その表情に俺の心はギュッと苦しくなる。





あぁ、ダメだよ麗子ちゃん。





そんな表情したら。








『私は…………その』




あぁ、今までの答えが返ってくる。




そう思うと胸が異様に早くなって
苦しくなって




こんな想いは初めてだ。




『そのっ…………』





泣きそうな目。




ウルウルしてて真っ赤で



まるであの時の




初めて会った



一目惚れした時の麗子ちゃんみたい。




気づいてしまった、





やっぱり麗子ちゃんを離したくない。




ごめん。



そう聞きたくない俺がいる。



弱いなぁ、決めたくせに俺は弱い。




ごめんね麗子ちゃん。




もう訳がわかんなくなってる。




一瞬。




あの時の麗子ちゃんと重なって見えた俺は




体が勝手に動いていて




『麗子ちゃん、、、ごめん。』




そう口から出ると




『っえ?…………』




麗子ちゃんの驚く顔も無視して





ただ、本能のまま



最低な俺は




麗子ちゃんにキスを落としてしまったんだ___…











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