年下彼氏、困ります




「ここです」


オフィスはまだ荷物でいっぱいだった。


「片付け頑張ってください、では」



そう言って踵を返したとき、


ドンッと低い音がして視界が暗くなった。




「え……」



前を見ると両脇には大きな手が扉についていた。


「永澤サン、なに帰ろうとしてんですか?」



耳元で低い声が響いた。

顔を見なくても分かる…………




さっきと全然違う!



「もう用は済ませましたから」



有無を言わせない矢野くんの雰囲気に負けじと反論。



「へぇ、人をつれ回した挙げ句放置?」


「はい?!」



けれど空振りだったみたいで敬語すらなくなってる。



お腹には然り気無く矢野くんの腕が回ってきていた。



「や、の……く___」





「手伝えよ、片付け」








なんなの?!この人!



今日1日で矢野くんの第一印象、生意気に格下げです。







< 3 / 53 >

この作品をシェア

pagetop