獣耳彼氏



ふといたずら心が湧いてきた。


獣耳はダメだって言われちゃったから、こうなったら耳を触ってしまおう。


そーと、流れるように耳を探し当て触った。


と思ったら、バッと手を掴まれ離された。



「えっと、どうしました?」


「どこ触ってんだよ」


「耳?」



ニコリと笑うと秋月くんは大きなため息を吐いた。



「そんなに耳触りたいのか?」


「触りたいです!特に獣耳!」



私が熱弁すると瞬く間に秋月くんの頭に獣耳が現れた。


ピクピクと動くそれ。ウズウズと触りたい衝動に駆られる。


触りたい、触りたい、触りたい!



「触っていいんですか!?」


「一つ条件がある」


「何ですか?何でもします!」



獣耳触るためなら何でも。なんだってする覚悟。


早く早く触りたい。



「何でも?」


「何でもします!早く言ってください!」



私がそう言うとニヤリと悪い笑みを浮かべた秋月くん。


おっと、私もしかしたらいけないこと言ったんじゃ…



「じゃあ、今真琴からキスしろ」


「え?」


「触りたいんだろ?早く」



秋月くんは意図的に獣耳を動かして誘惑してくる。


キス。今、キスするの?この状態で?膝枕しているこの状況で?


いや、でもキスすれば獣耳が触れると思えば。


でも、やっぱり恥ずかしい!


何でもとか言うんじゃなかった…



< 247 / 249 >

この作品をシェア

pagetop