姉さんの彼氏は吸血鬼 孝の苦労事件簿①

三十年前、セレナはふらりとバーに立ち寄った。

酒を飲んでも酔わない体質だったのだが、
何故その時バーに入ったのかはよく覚えていない。

入ると、丁度ゲームをしていた。
誰が最後までずっと飲んでいられるか、その時間と量を競っていた。


熱狂的で、おそらくほとんどの人間が初対面だっただろうが、
皆楽しそうに笑い、肩を抱き合いながら、
時には参加者に野次を飛ばして……。


何となくセレナは、忘れかけていた何かを、
そこで目の当たりにした気がした。
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