告白 1&2‐synchronize love‐





バイト中、ヒカルは何度もあたしに心配そうな目を向けてくる。

それくらいあたしの顔は、死人みたいな状態になっているらしい。


「美緒ぉ…バイト、休んだ方がよくない?」

「平気だって…」

「……深田さんと、ずっと会ってないの?」

「まぁ…ずっとって言っても、一週間ちょっとだけどね」


その間、恭一とはまったく接触してないのに。

気づけばいつも、あのヘラヘラ男のコトを考えてしまっている。


「会った方が、いいんじゃない?」

「え? …なんで?」

「ムリに会わないでいたって、逆効果なんじゃないのかなァって」


ヒカルの言葉に、あたしは口をつぐんだ。

確かに、会えない、会っちゃダメだと考えると、より一層会いたくなる。

「それより何より、美緒の体が心配だよ~」

「ヒカル…」

「深田さんと一緒なら、ごはんも食べられるんじゃない? うん、そうだよ! 深田さんと会ってきなよ!」

「…まだ、ダメだよ」

「どうしてぇ~」


あたしは答えず、曖昧に笑って先に休憩に入ろうとした。


けど…


事務所に入る手前で、視界が大きく揺らいだ。


あ…これは、やばい。


そう思った次の瞬間には、体の制御がきかなくなって…



「美緒……っ!」



意識の終わりに、ヒカルの叫びがすごく遠くに聞こえた。

そんな心配そうな声、出さないでよ。

そう言いたかったけど、言葉にはならなかった。




―――――
――
< 191 / 790 >

この作品をシェア

pagetop