【完】ズルい瞳[短編]
そして私は……
ひとり美術室に来ていた。
持ち帰るのを忘れていた私物と、自分の描いた作品達に最後の挨拶をするため。
3年生が卒業することで、部員はたったの1人。
4月にはたくさんの新入部員が入ることを祈りつつ
私は備品の整理を行う。
「…………」
あと、ここへ来たのはもうひとつ理由があって
「悪い。待ったか?」
「鍵を忘れずに掛けて下さい、先生」
「あ?あ、あぁ」
そう。
今日でひとつの大きなケジメをつけるため
もう人も少なくなった学校の美術室に
蒼ちゃんを呼び出したんだ。