闇に棲む猫はヴァンパイアに捕まる
お兄ちゃんは笑顔だった顔から真剣な顔へと変わり話始めた。
「翠玉。恋華さんと稜牙さんおぼえてるか?」
「うん。」
恋華と稜牙はあそこで唯一心を開いた大人だった。
あの人たちは私達の事を実験動物としては見ていなかった。
そして、今の名前をくれた人だ。
あの人達は私にとって両親のようなものであり、光だった。
あそこから逃げ出す手伝いもしてくれた。
あの人達は無事なのだろうか。