22歳の僕
女性達を車まで送るため僕達は歩きだした。道中公園にたどり着いた時、豊島さんに「あいつ、渡辺に気があるみたいだから気を効かせてね」
どうやら僕の同期が渡辺さんに気があるみたいだ。
僕と豊島さんは近くのベンチに体調が悪いと腰かけ、二人で会話ができるよう仕向けた。
豊島さんの思惑通り、二人は僕らから少し距離をおいて話始めていた。話の内容は聞き取りができない。
「早くコクらないかな」
「どーですかね。」
「...」しばらく沈黙は続いた。もうすぐ明け方。こんな時間まで外にいたのはもう何年になるだろう。
こんな事してていいのだろうか。将来の事きちんと決めなくてはいけないのに。
「ねぇ。」豊島さんが長い沈黙を破った。
「どうしました?」
「私の事好き?」「はい?」僕はわけがわからなかった。「聞いてるんだけど」「はい、まぁ... 好きですね」
向こうから同期と渡辺さんが走ってきた。どうやらうまくいったらしい。「良かったですね。ね、豊島さん?」
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