ペナルティ

「祐姫はどこにいっちゃったんだろうな」


泣いて目を少し腫らした平助が隣に座って呟いた


「お前泣きすぎだろ」

「そういう二人だって目真っ赤じゃん」


平助を笑う永倉さんと佐之さん

いつも通りの光景に安堵する自分と悲しむ自分がいた

謎が多すぎて祐姫ちゃんの存在はなかったことになるだろう

何年かたったらみんなの心からも消えるかもしれない

それでも僕はずっと死んでも忘れないよ

約束した通り、来世できっと見つけてみせるよ


「祐姫…新撰組、好きだったかな」

「好きでしたよ」

「え、何でわかんの?」


聞き直す平助にただ微笑み立ち上がった


祐姫ちゃんはここが大好きでしたよ

だって祐姫ちゃんが消える直前、彼女は確かに言ったんだ


『私、ここにこれて、良かった…』と


「僕も君に会えて良かったですよ…」


誰にも聞こえないようポツリと呟き僕は前を向いた


∽沖田side終∽





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