来い恋
「あのですね、柴田課長が私たちの事を知っていたんです。」
「ああ、芽衣には言ってなかったけど先輩にだけは言っていたんだ。知らせてなくて
ごめん」
妙に真面目に言うのでこっちも真面目に答え
「いいんです。信頼してる先輩だってわかったし、私も課長には入社当時お世話になってたので・・・」
「で?話はそれだけじゃないんだよね」
亮輔さんの顔が厳しいものになった。
私は言おうか言わまいか凄く悩んだが、
「・・・課長が・・・亮輔さんは私の事をずっと好きだったって言ってたんで
一体いつから私の事をすきだったのかな?ってそれをしつこく聞いたんですが
知らないって言い張るから・・・いつからなのかなって話をですね~」
出向の話はもうちょっと自分の気持ちを確かめてからと思い
またとっさに嘘をついてしまった。
でもいつから好きになったかは凄く知りたいからつい言ってしまった。

私の言葉に亮輔さんはキョトンとしたかと思うと急に顔を赤くさせ目を逸らした。
なんで?ここで目をそらされちゃうの私・・・
「・・・ったく先輩・・・余計な事を・・・」
ぼそっとつぶやいた言葉を私は聞きのがさなかった。
「余計な事って何ですか?それって凄く大事な事だと思いますが?」
珍しく亮輔さんがうろたえるのでこれは形勢逆転?
「亮輔さん?」
「な・・なんだよ」
「いつから私の事知ってたんです?まさか入社前って事・・・ないですよね?」
しかし、その言葉に亮輔さんが反応した。
え?えええ?
ちょっと、今の反応・・・
「亮輔さんっていつから私のことしってたんですか?」


どのくらい沈黙が続いたのだろう
亮輔さんは大きく息を吐くと
「いつかは知ることになるだろうし・・・仕方ないか」
そう呟き私の目をみると
「どん引きするなよ」
そういって話し始めた
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