*総PV2億突破御礼*完

そうして着いたカフェだけど。

今日は黒髪の彼はいなくて。



最近、ずっと彼がいたから拍子抜けしてしまった。


「小春、残念だったね~」


ニヤニヤと茶化すような笑みを浮かべているのは、なっちゃん。


「そんなことないもん」

「またまた~! でも、あたしの方が残念だったよ。小春が意中の彼を見れなくて」

「だから、ちがうってば!」


必死に否定するけど、彼女はわかってくれない。

本当にそんなんじゃないんだ。

好きとか、よくわかんないし。

彼の彼女になりたいって思ってるわけでもない。



ただ、気になる人ってだけ。

傍にいたら目で追っちゃうし、いっつも不機嫌な顔だから色んな表情を見てみたいなぁ~って思うだけ。


好きっていうより……憧れに近いかもしれない。



そんなことを考えながら、コーヒーの入ったカップを眺めていた。




< 28 / 81 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop