*総PV2億突破御礼*完

その翌日。

大学が終わって家に帰り、郵便ポストを覗くと封筒が十数通入っていた。


あ―あ、また迷惑なヤツだ。

ひとり暮らしを始めて分かって来たけど、ひとり暮らしのアパートにはいろんな広告がたっぷりと入れられる。

ピザ屋とか飲食店の広告や電気屋の修理請け負います的なもの。

不動産屋のアパートの紹介、引っ越しはどうですか?的なヤツとか、たくさんある。


今日のもそんなもんだろう。



そんな気持ちで取り出した郵便物を仕分けする。

ポストの下にあるゴミ箱にいらないものを捨てていく。


そこで、ふと広告じゃない封筒を見つけた。



「ん? どこからだろ……」


送り主を確認して、目を見開く。


だって、それは……昨日なっちゃんと話していたオーディションの合否を知らせるものだったから。




「き、きたっ!」


慌ててアパートの部屋へ上がり、こけそうになりながらもサンダルを脱ぐ。

肩にかけていたバックを床に置いて、小物の入った棚からハサミを取り出した。

プルプルと震える手で封を開けていく。
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