「そう言えばあおいんとひかちゃんって同じアパートなんだよねー」




「えっなんで知ってるの」



ストーカー?
本物のストーカー?


やばい。
やっぱり関わらない方がいい…。



「だーかーらー。僕ストーカーぢゃないから!
登下校のタイミングがピッタリなの!」




「だからってなんで知ってるのよ!」



「ホントに知らないのー?
僕、隣のアパート住んでんだよー」



「知らないわよ!そんなこと。あたしはストーカーじゃないんだから」



「僕も違う!」



「俺は知っとった。いっつも後ろにおったよな」



「そうそう!」



「ますますストーカーっぽく見えてきた」



「葵専属のストーカーやもんな」



「ひかちゃん!!!」




あれ?そう言えば光、マコちゃんとは普通に喋ってる。



敬吾くん以外とはまったく喋らないのに。
話せる相手と話せない相手の境界線が分からない…。



ストーカーチックで変態のマコちゃんと。
しっかり者の礼儀正しい敬吾くん。

まったく種類が違う。



もしかして気分屋?



「葵?家、着いたで?」



「へっ?」



光の声にハッとする。


考え込んでいる間にアパートの下まで来ていた。



「あ、本当だ」



「あおいんっていつもなんか考えてるよねー。楽しい?」



「楽しくて考えてるんじゃないし!じゃあね!」



「明日ねー!」



のんきなマコちゃん。
楽しい?って…。
そっちのが楽しいのか気になる。

女の子ごっこ。



身長がすらっと高くて。
程よく細くて。
小顔で。
目が何気に大きくて。
声もちょっと高くて。

髪の毛を伸ばしちゃえば女の子になれるかもしれないけど。



かっこよく決めてみても。
多分すごくよくなる。



むしろその方が人気も出ると思う。
…学校内で。



でもそうしないのは、彼なりの事情があるのかもしれない。
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