メガネはずしちゃダメ!
さっきよりも近くにきている雷の音に、

あたしは身体が強ばった。

それが、芹沢にまで伝わったのか、

いきなり身体を引き寄せられて、

芹沢の方へ身体が傾きそのまま腕の中に収まるあたしは、力が抜けていた。

「二つとも、当たりとか可愛いすぎ…だろ」

その言葉はあたしの耳には聞こえていなくて、

ただ芹沢の腕の中で黙っているだけだった。

「大丈夫か?

怖いのに一人で何でもしようとするな。」

あたしが落ち着くまで、
黙っていてくれ芹沢には珍しいくらいの優しい態度に自分の胸がうるさいくらいにドキドキしているのだけがわかっている。

「……はい」

あたしにしては何も言わないで素直に聞いているのが、

驚いたのか少し目を見開く芹沢。
< 24 / 50 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop