彼はお笑い芸人さん
芸人さんのネタバラシ
「どーもー、とーぐんです」

「いやあ、生放送緊張するね」

「するね」

「くれぐれも失言には気を付けましょうね」

「ましょうね」

「お前、さっきから相槌しかしてないけど、大丈夫? やけに緊張してない?」

「いやあ、ホント緊張しますよ。今日、俺プロポーズしようと思ってますもん。はい、俺は今めっちゃ緊張してます。そして、全く自信がありません。だから街のホットアイドル、スーパークールな眼鏡男子のぐんちゃんに、アドバイス貰いたいなあ思うんですけど、いいですか。じゃあ、ぐんちゃん彼女役やってね。俺、プロポーズするから」

「ちょっと待って。今、二点、ツッコミどころがありました。ハイまず一点目、『街のホットアイドル、スーパークールな眼鏡男子』って、すっっごいダサいんですけど。俺のキャッチコピー、もっとかっこよくして。そんで、ホットなんかクールなんか、どっちかハッキリして。キャラブレするから。そしてハイ、二点目。お前、誰にプロポーズするつもりだよ? んな相手いねーだろ」

「いますよ。いなかったら練習する意味ないでしょー。まあ実名出すのはアレですから、仮に『静香ちゃん』としましょうか。んじゃ、お前静香ちゃんやって。俺…」

「のび太くん?」

「僕、ドラえもん~。てれってれってて~、タイムマシ~ン。早く早く、のび太くう~ん、静香ちゃんがデキスギくんに奪われちゃうよ~。早く、このタイムマシーンに乗って~!」

「何なに、急にドラえもん出てきた」

「うん、ようしこのタイムマシーンに乗って、静香ちゃんにプロポーズしに行くぞう! ぎゅう~ん、ぎゅぎゅ~ん」

「何なに、来てるの? 俺は静香ちゃん役、ってことは……風呂か? 入浴シーンね」


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