彼はお笑い芸人さん
芸人さんは前フリがお好き?
*****
気が付くと、見慣れた家の中だった。
そして目の前には遠藤君のドアップ。
うひゃあと飛び起きそうになる。けど体が重い。
「気が付きました? とりあえず、楽な服装に着替えます?」
とりあえず、ぼうっとする頭を整理する。
えっと、玄関先で倒れて……今横になっているのは、家のソファーの上。
てことは、
「……運んでくれたんだ、ありがと…重かったよね」
「全然。軽くてびっくりしました、ちゃんと食べてます?」
遠藤君はそう言って、上から覗き込む顔を少し近づけた。
その表情にドキリとする。
遠藤君の視線は首元に、胸元に、それから這うようにして腰の辺りまで下りて、ソファーに投げ出している足に。 透琉くんとのデート用に、女の子らしさをアピールした格好。
今更ながら、この状況の危うさに気付く。
げげ。今の自分、すごい無防備じゃない?
いま何かあってもおかしくないというか。
下手すれば誘ってるようにさえ見えるかも……
「え、遠藤君……」
さっきまでとは打って変わり、思い詰めたような少し怖い表情で私をじっと見つめる遠藤くんを、恐る恐る呼んだ。
遠藤君は深い息を吐くと、思いがけない言葉を口にした。
「さっき、小西さんの彼から電話ありました」
――――え? 透琉くんから?
「勝手に悪いと思いましたけど、電話出ました。小西さんがこんな状態だって、伝えようと思って」
ええっ!?
気が付くと、見慣れた家の中だった。
そして目の前には遠藤君のドアップ。
うひゃあと飛び起きそうになる。けど体が重い。
「気が付きました? とりあえず、楽な服装に着替えます?」
とりあえず、ぼうっとする頭を整理する。
えっと、玄関先で倒れて……今横になっているのは、家のソファーの上。
てことは、
「……運んでくれたんだ、ありがと…重かったよね」
「全然。軽くてびっくりしました、ちゃんと食べてます?」
遠藤君はそう言って、上から覗き込む顔を少し近づけた。
その表情にドキリとする。
遠藤君の視線は首元に、胸元に、それから這うようにして腰の辺りまで下りて、ソファーに投げ出している足に。 透琉くんとのデート用に、女の子らしさをアピールした格好。
今更ながら、この状況の危うさに気付く。
げげ。今の自分、すごい無防備じゃない?
いま何かあってもおかしくないというか。
下手すれば誘ってるようにさえ見えるかも……
「え、遠藤君……」
さっきまでとは打って変わり、思い詰めたような少し怖い表情で私をじっと見つめる遠藤くんを、恐る恐る呼んだ。
遠藤君は深い息を吐くと、思いがけない言葉を口にした。
「さっき、小西さんの彼から電話ありました」
――――え? 透琉くんから?
「勝手に悪いと思いましたけど、電話出ました。小西さんがこんな状態だって、伝えようと思って」
ええっ!?