彼の秘密と彼女の秘密


凛は瑠璃の事、女医が間者だった事を嵐に簡潔に話ながら、塀を越え屋根づたいに移動する。


「こんなネコみたいな事久々で楽しいですねぇ」

「てめぇは毎日縁側でネコみてぇだろぉが」


斎藤が西の方を見て指指す。


「あれは何でしょうか?」


それは淡く蒼く光っていて、こっちに向かってきているようだ。


「瑠璃..」

「はぁ!?あれが瑠璃ちゃんて...それはないやろ」

「僕には瑠璃の気配な感じがします。瑠璃とは少し違うような気がしますけど..でも瑠璃です」

「確かに...でもなんであんなんなんや?」

「僕にもわかりませんよ。覚醒..でしょうか..」
呑気な2人に呆れる2人。それもそのはず、ここはまだ敵地のど真ん中なのだ。

「ここで様子見ます?」

呑気な凛。

「さすがにここは目立つから少し移動してからやな」

安堵する斎藤と瑞貴。



離れた一番高い木の上にいる4人。
淡い光はだんだんこちらに向かってきている。



< 145 / 254 >

この作品をシェア

pagetop