彼の秘密と彼女の秘密

店を出ると、さっきの所からまた足がとまってしまう。

「嵐さん、お願いがあります」

「なんや?」

「手を...手を繋いでいってもらえますか?
どうしても足が竦んでしまって...」

ええよ、と言って手を繋ぐ。

里奈の手はひどく汗ばんでいて、震えていた。
大丈夫だ、という気持ちを込めて強く握り返した。

「行くで」

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