俺様とネコ女
気がつけば、テーブルの上には空きグラスが散乱していた。9割が私の消費分という現実。これで美咲に割り勘なんて言えないな。

「美咲!芋焼酎!ロック飲む!」

人に話しても気分は晴れない。くそー、今日はとことん飲むしかない。


「こころー、もうやめときなよ」

美咲の言葉は聞こえないふり。酒だ酒。


「祐樹ずるいですよね。こころのことキープしようとして」

よく見ると、美咲は直哉にばかり話しかけている。コウは美咲の苦手なタイプだ。


「でも本心かも」

そうであって欲しくての願望を口にしたのに。

「んなわけねーだろ」

この発言の主の説明は、もはや不要だ。
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