俺様とネコ女
そのままの体勢で、映画を見続けること30分。コウに何もされないのが残念なような、…残念だ。

後ろから悪戯されて、ちょっとダメだよパターンを期待していただけに、がっかり感が半端ない。この体勢とよからぬ妄想が、著しく集中力を奪ってるのは間違いない。

しかもどこか客観的に見てしまっていた。感情移入していたら、泣けるものもあるけど、これはダメだった。


「つまんねえ」

「だよね」


振り返って、コウの顔の近さに胸がどきりと音を立てる。この音聞かれてないかななんて、焦る私はフイと顔を逸らす。

「コウがおもしろかったらごめんだけど、微妙だね、これ」

「ああ」

「こういう恋愛映画で微妙とか言って、私本当にかわいくないよね」


私の体に回ったままの、コウの両腕に力がこもる。より、体の密着度が上がる。男らしい体つき、力に、高鳴る胸の鼓動がはっきりと聞き取れる。


「お前はかわいい」


真剣な顔で、私を見つめるのはなぜ?


「ここ」

「コウ?」
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