俺様とネコ女

2.こころside

ひとつ肩の荷が下りた。


東京本社異動について、ついにコウ本人の知るところとなった。


怖い。正直、ものすごく。コウがどういう決断を下すのか。

でも、今日はコウのお祝いをしたい。


目の前で、コウが専務に褒められるのを見て、嬉しかった。毎晩遅くまで働いて、休日出勤も当たり前だったコウの頑張りが結果を出し、それが評価されたのだから。すごく誇らしかった。


「…ちゃん?上野ちゃん?」

「は、はい」


お昼時の社員食堂で、向かいの席の課長が私の顔をのぞき込んでいた。

「上野ちゃん最近全然食べないよね。仕事中も時々、上の空っていうか、様子がおかしいし。体調悪いの?」

「すみません。ちょっと、食べれなくて…」

「もしかして、できちゃった?」

「だっ、大丈夫です」


反省だ。

コウのことがあっても、仕事だけは一生懸命していたつもりだった。
< 293 / 337 >

この作品をシェア

pagetop